要約 韓国の文化体育観光部とKOCCAが11月3〜6日(現地時間)にLAで開く「U-KNOCK 2026 in USA」は、販路より資本に焦点を合わせた。5日のフォーラム登壇者の多くは投資銀行、PEファンド、銀行で、6日には12社が北米の投資家と1対1で面談する。米国でコンテンツの権利の価値が上がる今、韓国企業に必要なのはIPを守りながら資本を呼び込む契約設計だ。

韓国の文化体育観光部(문화체육관광부)と韓国コンテンツ振興院(한국콘텐츠진흥원、KOCCA)は11月3日(現地時間)から6日まで、米ロサンゼルス(LA)で「U-KNOCK(ユーノック)2026 in USA」を開催する。メイン会場はザ・ビルトモア・ロサンゼルス(The Biltmore Los Angeles)。米国開催は今年で3年目だ。
5日の国際コンテンツ金融フォーラムの登壇者の多くは金融機関だ。ニューヨークの投資銀行レイン・グループ(The Raine Group)、IP投資のPEファンド、シャムロック・キャピタル(Shamrock Capital)、メディア系PEファンドのアットウォーター・キャピタル(Atwater Capital)、JPモルガンのグローバル・コーポレートバンクが並ぶ。制作側からはアンブリン・エンターテインメント(Amblin Entertainment)、アノニマス・コンテント(Anonymous Content)、21ラップス(21 Laps Entertainment)が登壇する。テーマは「What Makes Content Last(何がコンテンツを持続させるのか)」。6日にはドラマ、アニメ、ウェブトゥーン、K-POP、AI分野の韓国12社が、北米の投資家やスタジオと30分単位で1対1の商談を行う。
米国市場のデータはこの顔ぶれと重なる。米アクシオス(Axios)が10月20日に公表した「2026メディアトレンド年次報告書」によると、音楽カタログの売却価格は売上の8.3倍から17.9倍まで上昇し、PEファンド、年金基金、資産運用会社がコンテンツの権利投資に参入している。同報告書では、米国の映画・映像制作の雇用は今年2月時点で18万5200人と、2022年のピーク(28万5000人)より約35%少ない。米国の放送ネットワークが2024年に制作したTVエピソードは、2022年より約5000本少なかった。

U-KNOCKはKOCCAが2024年に始めた海外投資誘致プログラムだ。2024年6月のアナハイムでの初回では10社が97件、168億ウォン(約19億8000万円)規模の商談を行ったと亜洲経済が報じた。昨年11月のハリウッド・ロウズ・ホテルでの開催では15社が1対1投資ミーティング181件をこなした。最初の2年が商談件数を積み上げる段階だったのに対し、今年は投資構造そのものがフォーラムの議題に上がった。
3日に在米韓国人円卓会議で開幕… 4日はUTA、完成保証のFFI、ハンミ銀行を訪問
現地日程は3日夜の事前イベント「PRE U-KNOCK」で幕を開ける。ハリウッドの韓国系リーダー団体KALHと、制作・金融、原作IP、音楽・ファンダム、AI・プラットフォームの関係者が集まる円卓会議だ。本イベントは4〜6日。4日は参加企業と韓国の投資会社がエージェンシーのUTA(United Talent Agency)と映画の完成保証会社フィルム・ファイナンス(Film Finances International、FFI)を訪ね、金融機関の一行はハンミ銀行(Hanmi Bank)とFFIを訪問する。信用保証基金、技術保証基金、ベンチャーキャピタルのSJ投資パートナーズとユニオン投資パートナーズが同行する。
完成保証は、作品が約束した予算と日程の範囲内で完成することを保証する仕組みで、米国の独立系映画が銀行融資や外部投資を受ける際の前提条件として求められることが多い。韓国の保証機関とベンチャーキャピタルがその現場をともに訪ねる日程は、韓国の制作会社の海外プロジェクトに保証と融資を組み合わせる構造につながっている。
| 日付(現地) | プログラム | 主な内容 |
|---|---|---|
| 11月3日(火) 18:00〜20:00 | PRE U-KNOCK 在米韓国人E&M円卓会議 | KALHと制作・金融、原作IP、音楽・ファンダム、AI・プラットフォームで交流 |
| 11月4日(水) | 米国の産業・金融機関とのビジネスミートアップ | 参加企業・韓国投資会社がUTA・FFIを訪問/金融機関がハンミ銀行・FFIを訪問 |
| 11月5日(木) 午後 | 国際コンテンツ金融フォーラム・レセプション | 基調講演、対談、パネル討論、企業IRピッチ(5社)、ネットワーキング(〜20:00) |
| 11月6日(金) 10:00〜17:00 | 1対1投資・ビジネス商談会 | 12社の事業・IP・プロジェクトのニーズに基づく30分単位の商談 |
出所:韓国コンテンツ振興院 事業・イベント紹介資料(2026年10月30日)。フォーラムは英語で行い、韓英同時通訳を提供する。
音楽カタログ価格は17.9倍… 最初の基調講演はレイン・グループのフレッド・デイビス氏
フォーラムの最初の基調講演者は、レイン・グループのフレッド・デイビス(Fred Davis)パートナーだ。2014年からレイン・グループに在籍し、EMIレコードのエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めた同氏は、音楽産業の分散化がどのように資本を呼び込むかを語る。アクシオスの報告書が引用した国際レコード産業連盟(IFPI)の集計では、2025年の世界の音楽売上高は過去最高の317億ドル(約5兆円)で、その70%がストリーミングによるものだった。音楽の権利は過去5年間に年平均約13%のリターンを上げ、今年だけで大型カタログ取引が少なくとも4件成立した。報告書は、ストリーミングがカタログに予測可能な長期キャッシュフローをもたらし、PEファンドや年金基金が権利市場に入ってきたと整理している。
2本目の基調講演は、スタジオドラゴン代表を務めたウェブトゥーンスタジオYLAB(와이랩)のカン・チョルグ(강철구)代表が担い、ウェブトゥーン原作を映像や商品に広げてIP価値を高める戦略を発表する。「IPの資産化」パネルには、1978年にディズニー家の投資会社として始まったシャムロック・キャピタルのジェイソン・スクラー(Jason Sklar)パートナーが登壇する。シャムロックの運用資産は今年6月時点で約74億ドル(約1兆1700億円)。2017年に設立され、プランB(Plan B)、88ライジング(88rising)、音楽ライブラリーのエピデミック・サウンド(Epidemic Sound)などに投資してきたアットウォーター・キャピタルの創業者バニア・シュローゲル(Vania Schlogel)氏は、「コンテンツ×AI」セッションでバラエティ(Variety)共同編集長シンシア・リトルトン(Cynthia Littleton)氏と対談する。

制作雇用35%減のハリウッド… アンブリン、JPモルガン、アノニマスが語る「IPの資産化」
アクシオスは、米国の映画・映像制作の雇用が2020年以降で最低の水準にあり、コロナ禍前より25%低いと集計した。スタジオは脚本作品の制作費を削り、スポーツ中継へ投資を移している。米議会は国内で制作された映画・TVに20%の連邦制作税額控除を与える超党派案を検討しており、すでに38州が制作インセンティブを設けている。米国の映画・TVの年間輸出額は164億ドル(約2兆5800億円)だ。
「IPの資産化」パネルでは、スクラー氏とともに、スティーブン・スピルバーグらが共同設立したアンブリンのジェフ・スモール(Jeff Small)CEO、JPモルガンのグローバル・コーポレートバンクでメディア・通信部門を統括するデビッド・シャヒーン(David Shaheen)氏、アノニマス・コンテントのスティーブ・シキヤ(Steve Shikiya)COOが同じ席に着く。作品のグリーンライトの段階から公開後の残存価値まで、権利をどう設計するかが議論の対象だ。続いてCJ ENMアメリカのパク・ヒョンベ(박현배)代表と、LINE FRIENDS Americaのアン・ジェソク(안재석)副社長(IPX米国法人長)が「IPを手放さずパイプラインとして回す」をテーマに講演する。
アクシオスによると、2024年の米国興行収入ではPG指定作品がチケット売上の3分の1を占めて1995年以降で最も高い比率となり、アニメは国内チケット売上の約25%を占めた。今年の米国興行収入は10月19日時点で81億ドル(約1兆2800億円)。今回の商談会では、3D長編ファミリーファンタジー『KKOKDU(꼭두)』を開発するローカスと、SF音楽アニメを手がけるスタジオ・イオンが北米の配給・共同制作先を探す。
米国の18〜24歳の57%はショート動画で映画・TVを発見… メタコメディ、マネーグラフィが登壇
ルミネイト(Luminate)が10月に出した「ソーシャルメディアとエンターテインメントの発見」報告書によると、米国の18〜24歳の57%がショート動画で新しい映画やTV番組を見つけている。配信サービス内で探す割合(55%)より高く、ショート動画が発見経路の首位となる年齢層は18〜24歳だけだ。65歳以上は16%にとどまる。米国の視聴者全体では約3分の1がソーシャルメディアとショート動画で映画・TVを見つける。18〜24歳の週間メディア利用時間に占めるショート動画の比率は26%で、55歳以上(12%)の2倍を超える。調査は米国の13歳以上2000人(5月5〜26日)と音楽リスナー8105人(第1・第2四半期)を対象とした。
米国の配信事業者もアプリ内に縦型動画フィードを加えた。ルミネイトの集計では、今年ディズニープラス「Verts」(3月)、Netflix「Clips」(4月)、プライムビデオ「Clips」(5月)、HBO Max「HBO Max Shorts」(7月)、Peacock「Vertical Feed」(8月)が相次いで登場した。ディズニーは8月にTikTokと提携し、クリエイターがマーベル、ピクサー、スター・ウォーズのキャラクターをTikTokとディズニープラスのVertsの動画で使えるようにした。アクシオスは世界のクリエイター経済を2500億ドル(約39兆4000億円)とするゴールドマン・サックスの推計を引用している。
フォーラムの「K-バラエティ・ノンスクリプト」セッションがこの市場を扱う。YouTubeの「ピシク大学」「ショートボックス」を育てたメタコメディ(Meta Comedy)のチョン・ヨンジュン(정영준)代表と、金融アプリ「トス(Toss)」のブランドメディア、マネーグラフィ(Moneygraphy)のチョン・ヒョンジョン、ペ・チェミン両プロデューサーが登壇する。マネーグラフィのYouTubeは今年1月時点で登録者50万人、累計再生1億5000万回を超えた。両社とも放送局の外、YouTubeで成長した制作会社だ。

ライブ売上1490億ドル、ファンダムがKPIに… AEGプレゼンツ、ビーマイフレンズが討論
アクシオスの報告書によると、ライブエンターテインメントの売上高は2021年からほぼ倍増して1490億ドル(約23兆4800億円)に達し、PwCは2030年に1740億ドル(約27兆4200億円)を見込む。人気ツアーのチケット平均価格は127ドル(約2万円)。報告書は、配信事業者がフランチャイズの拠点に変わり、ファンダムが新たな成果指標(KPI)になったと記した。ディズニーは売上の38%をテーマパークなど体験事業で得ている。
ルミネイトの調査では、米国の18〜24歳の音楽リスナーの58%がショート動画アプリで音楽コンテンツを視聴し(65歳以上は19%)、53%がそこで新しい音楽を見つけている。ソーシャル・ショート動画を使う18〜24歳の39%は、そうして知った曲を配信サービスで改めて探して聴く。
「ファンダム・技術」セッションでは、HYBEのCPO・CTOとWeverse Company代表を歴任したビーマイフレンズ(bemyfriends)のソ・ウソク(서우석)代表が、ファンダムを資産にする方法を発表する。続いて『ストレンジャー・シングス』の制作会社21ラップスのブライアン・オー(Bryan Oh)エグゼクティブ・バイスプレジデントと、AEGプレゼンツ(AEG Presents)のケリー・ステルバスキー(Kelly Stelbasky)グローバルツアー担当上級副社長が「ハリウッドはなぜK-POPをヘッドライナーに据えるのか」をめぐって討論する。オー氏は2027年公開予定の映画『K-Pop: The Debut』のプロデューサーだ。参加企業では、tripleS、ARTMS、idnttを運営するモードハウスと、海外K-POPツアーを運営するリコブがこの分野でパートナーを探す。
AIコンテンツ契約299件対訴訟107件… ユートパイ、ジロ、クレオンの制作の試み
アクシオスの集計では、メディア企業とAI企業が結んだコンテンツ契約は少なくとも299件で、著作権訴訟(107件)を上回る。ニュースがライセンスを主導し、音楽と出版は依然として訴訟の比重が高く、ゲーム分野の契約も出始めた。対価の方式はAI学習用ライセンスから利用量に応じた対価へと移りつつある。韓国では2025年第4四半期にコンテンツ事業者の32.1%が生成AIを活用していた。
「コンテンツ×AI」セッションには、2022年設立のAI映画・TVスタジオ、ユートパイ・スタジオ(Utopai Studios)のカタリナ・シエルコ(Katarina Scierko)戦略・運営担当副社長と、Tubiの上級副社長を務めたハンス・ク(Hans Ku)最高製品責任者が登壇し、脚本から映像化までのAI制作工程を解説する。参加企業では、ジロが50以上の生成AIモデルを束ねた制作プラットフォーム「ドロップショットAI」と、8月にデビューした100%AI生成のK-POPアイドル「SEORIA」を、クレオンがリアルタイム対話型デジタルヒューマンを携える。フォーラム最後の特別セッションは、ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)共同創業者でVENN CEOのパトリック・リー(Patrick Lee)氏と、ゴールドハウス・ベンチャーズ(Gold House Ventures)のダニエル・ソ(Daniel Suh)ゼネラルパートナーが担う。
| セッション | 登壇者 | 関連する米国市場データ |
|---|---|---|
| 基調講演 | フレッド・デイビス(レイン)、カン・チョルグ(YLAB) | 音楽カタログの売却価格/売上倍率8.3倍→17.9倍、音楽権利の5年平均リターン約13% |
| A-1 コンテンツ×AI | バニア・シュローゲル(アットウォーター)、カタリナ・シエルコ、ハンス・ク(ユートパイ) | AIとメディアのコンテンツ契約299件対訴訟107件 |
| A-2 K-バラエティ | チョン・ヨンジュン(メタコメディ)、チョン・ヒョンジョン、ペ・チェミン(マネーグラフィ) | 18〜24歳の57%がショート動画で映画・TVを発見、クリエイター経済2500億ドル |
| A-3 ファンダム・技術 | ソ・ウソク(ビーマイフレンズ)、ブライアン・オー(21ラップス)、ケリー・ステルバスキー(AEG) | ライブ売上1490億ドル、18〜24歳の58%がショート動画で音楽コンテンツ視聴 |
| B-1 IPの資産化 | ジェイソン・スクラー(シャムロック)、ジェフ・スモール(アンブリン)、デビッド・シャヒーン(JPモルガン)、スティーブ・シキヤ(アノニマス) | 制作雇用18万5200人(2022年ピーク比-35%)、TVエピソード2022年比約5000本減 |
| B-2 IPパイプライン | パク・ヒョンベ(CJ ENMアメリカ)、アン・ジェソク(LINE FRIENDS America) | ディズニー売上の38%が体験事業、ファンダムが配信のKPIに |
| 特別セッション | パトリック・リー(VENN)、ダニエル・ソ(ゴールドハウス・ベンチャーズ) | — |
出所:韓国コンテンツ振興院 フォーラムプログラム、アクシオス「2026メディアトレンド年次報告書」、ルミネイト「ソーシャルメディアとエンターテインメントの発見」。データは各報告書の集計であり、主催者が示した登壇者選定の理由ではない。
参加12社… 『再婚承認を要求します』はディズニープラス配信の2日後に商談の席へ
6日の商談会の参加企業は、事前審査と双方向のニーズ調査を経て選ばれた12社だ。作品の公開と商談の日程が重なるのはエムストーリーハブ(MSTORYHUB)だ。同社のウェブトゥーンIP『再婚承認を要求します』(英題The Remarried Empress、韓国題재혼 황후)は、商談会の2日前の11月4日にディズニープラスのオリジナルシリーズとして配信が始まる。シン・ミナ、チュ・ジフン、イ・ジョンソク、イ・セヨンが出演する全10話で、原作ウェブトゥーンの世界累計閲覧数は7月時点で約29億7000万回。エムストーリーハブはアニメ版も制作しており、実写版配信直後の関心をアニメやライセンスの交渉につなげられる。
ジロ(JIRO)とドラフティファイ(Draftify)は、8月28日にCOEXで開かれた「2026 KNOCK IR DAY」でそれぞれ大賞と最優秀賞を受賞した。ドラフティファイは、視聴者の投げ銭でゲーム展開が変わる「プレイスクワッド(PlaySquad)」を10月に米国で正式ローンチした。同社によると、マインクラフト系モードの配信1回あたりの平均投げ銭は約310ドルで、韓国CHZZKの一般的なゲーム配信の時間あたり投げ銭の約21倍だ。コンテンツファースト(Contents First)は、200以上の国・地域で英語・フランス語・ドイツ語のウェブトゥーンとウェブ小説を配信するタピトゥーン(Tappytoon)を運営し、6月に始めた原作キャラクターとの対話サービス「キャラクターチャット」は利用が毎月2〜3倍に伸びているという。
ドラマでは、SBSドラマ『財閥X刑事(Flex X Cop)』を手がけたビッグオーシャンENM(Big Ocean ENM)が、近未来捜査ドラマ『Another Heaven』(50分×8話)の共同開発・共同投資先を探す。『財閥X刑事』はシーズン1が全国視聴率11.0%、シーズン2が最終回で11.8%を記録し、両シーズンともディズニープラスの韓国ドラマ1位となった。『ラブ・スカウト』『タングム』のEOコンテンツグループはスパイアクション『TEAM-K』(60分×12話)を、『レッド・シューズ』『ユミの細胞たち ザ・ムービー』のローカス(LOCUS)は韓国の伝統的な葬送の輿を題材にした長編『KKOKDU』を、スタジオ・イオン(Studio Eon)はアンリアルエンジンによる『Armed Idols: Kill Stage』(20分×13話)を出品する。バーチャルプロダクション企業YNカルチャー&スペース(YN Culture & Space)は、制作を終えたAIバーチャルアーティストIP『NOWHERE』(12分×5話)を保有する。モードハウス、YNカルチャー&スペース、クレオン、コンテンツファースト、スタジオ・イオンの5社は5日のフォーラムでIRピッチも行う。
| 企業 | 代表プロジェクト | 段階 | 米国で求める協業 |
|---|---|---|---|
| エムストーリーハブ | 再婚承認を要求します(ウェブトゥーンIP) | ディズニープラス実写版11月配信、アニメ制作中 | 投資誘致、IPライセンス |
| ビッグオーシャンENM | Another Heaven/財閥X刑事1・2 | 企画・開発/制作完了 | 共同制作・共同開発・共同投資 |
| EOコンテンツグループ | TEAM-K | 開発中 | クリエイティブ開発、投資、配給 |
| ローカス | KKOKDU(3D長編アニメ) | 企画・開発 | 企業・作品投資、北米配給 |
| スタジオ・イオン* | Armed Idols: Kill Stage | プリプロダクション | 投資、共同制作、配信、IPライセンス |
| コンテンツファースト* | To You Who Stole My Wish/キャラクターチャット | 企画・開発/サービス中 | プロジェクトファイナンス、映像化・二次利用権 |
| モードハウス* | COSMO/tripleS・ARTMS・idntt | サービス中 | 投資、パブリッシング、共同制作 |
| YNカルチャー&スペース* | NOWHERE(AIバーチャルアーティスト) | 制作完了 | 投資、共同制作、マーケティング提携 |
| クレオン* | リアルタイム・デジタルヒューマン | サービス中 | インタラクティブIP、ローカライズ提携 |
| リコブ | K-POP公演運営/D2Cコマース | 運営中/ローンチ準備 | 投資、米国共同プロモーション、会場・グッズ提携 |
| ジロ | SEORIA/ドロップショットAI | サービス中 | 戦略投資、法人向け提携、IPライセンス |
| ドラフティファイ | プレイスクワッド | サービス中(10月米国ローンチ) | 戦略投資、ゲームIP連携、プラットフォーム提携 |
*5日のフォーラムでIRピッチを行う企業。出所:韓国コンテンツ振興院 報道資料・事業紹介資料、U-KNOCK 2026パンフレット


昨年の韓国コンテンツ輸出149億ドル… 音楽32.4%増、映画19.9%増
KOCCAの「2025年第4四半期および年間コンテンツ産業動向分析」によると、昨年の韓国コンテンツ産業の輸出額は前年比5.9%増の149億582万ドル(約2兆3500億円)だった。音楽(32.4%増)、映画(19.9%増)、キャラクター(12.8%増)が伸びをけん引し、広告、放送・映像、出版の売上高は減少した。今回の参加12社のうち、K-POP・ファンダム2社とAI・技術・プラットフォーム4社が半数を占めるのもこの流れと重なる。

「作品販売」から「権利設計」へ… 放送・映像の売上が減った韓国事業者の課題
昨年の開催直後、KOCCAのコンテンツ金融支援担当チーム長はアジア経済に対し、投資交渉には通常6カ月以上かかるため目に見える成果は翌年に出ると語った。昨年の参加企業MOFACスタジオ(모팩스튜디오)はその後、アルトス・ベンチャーズから約60億ウォン(約7億1000万円)を調達したと同紙が報じた。同じ報道で、ある参加企業の代表は、一部の配信サービスや配給会社がグローバル独占配信を条件に挙げるとして、IPの独占要求と収益配分比率を最大の負担に挙げた。
今年のフォーラムはこの負担を正面から扱う。米国で権利資産の価格が上がり制作の雇用が減るなか、投資銀行やPEファンド、銀行が韓国のIPを見るときにまず確かめるのは、権利を誰がどれだけの期間持つかだ。これまで韓国の制作会社が海外プラットフォームと結んできた契約が、制作費の補填と引き換えに権利を渡す形に近かったとすれば、金融資本との交渉では、IPの持ち分、地域別・期間別の権利、二次事業権をどう分け、どう残すかが企業価値に直結する。CJ ENMアメリカの「IPを手放さずパイプラインとして回す」講演と、シャムロック、アンブリン、JPモルガンのパネルが同じ問いを扱う理由もここにある。
韓国の放送局と制作会社の課題もここから生まれる。昨年の輸出の伸びは音楽、映画、キャラクターがけん引し、放送・映像は売上が減った。編成枠ごとに作品を納品するやり方では、権利の価値が上がる市場の収益を分け合うのは難しい。海外との共同制作でIPの持ち分と二次利用権を残す契約を設計し、完成保証、銀行融資、公的保証を組み合わせる制作金融の構造を身につけることが、放送局と制作会社の次の競争力になりうる。『再婚承認を要求します』のように、原作IP企業が映像化直後にアニメやライセンスへ権利を広げる事例がその方向を示している。
米国の若年層の発見経路がショート動画へ移ったことは、韓国企業にとって機会だ。メタコメディやマネーグラフィのように放送の外で成長したバラエティ制作会社や、ショート動画で音楽が広がるK-POPのファンダム構造は、米国の配信事業者が今年になってアプリに縦型フィードを加え、追いかけている領域だ。ただ、これを投資につなげるには、再生回数や登録者数を売上とキャッシュフローで説明できなければならない。金融界が見るのは話題性よりも予測可能な収益だ。
政策支援も、商談件数より事後のフォローに重きを置く段階にある。交渉に半年以上かかるなら、イベント後のデューデリジェンスと契約の段階まで法務・会計の助言と保証をつなぐ仕組みが成果を左右する。信用保証基金と技術保証基金による現地金融機関の訪問が、韓国の制作会社の海外プロジェクトへの保証につながるかは、イベント後に確かめるべき点だ。
展望… 3年目のU-KNOCK、韓国IPを「投資される資産」へ
KOCCAの関係者は「3年目を迎えたU-KNOCKは、韓国の創造的なコンテンツと技術革新企業が、グローバル・エンターテインメントの中心地でメインストリームの資本や有力パートナーと直接結びつく実質的な機会の場だ」と述べ、「一度の成功にとどまらず、K-コンテンツが世界の金融資本に支えられる持続的な資産へと飛躍できるよう、総合的な支援を続ける」と語った。企業ごとの面談申し込みは公式サイト(uknockglobal.com)で受け付けている。
交渉期間を考えると、今年の商談の成果は来年上半期から投資・共同制作契約として順次姿を現す見通しだ。ハリウッドの金融界が韓国IPの権利構造を自ら問い始めたこと自体、Kコンテンツが「売れる作品」を超え「投資される資産」として認められつつある表れといえる。3年間積み上げてきたネットワークの上で、今年の商談が韓国側に権利を残す契約へとつながれば、U-KNOCKはKコンテンツがグローバル資本と対等な条件で手を組む出発点として記録されるだろうと期待が高まっている。