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要旨 アマゾンの2026年7-9月期の広告収入は196億3700万ドルと前年同期比11%増にとどまり、前四半期の26%から大きく鈍化した。同社は年1回の大型セール「プライムデー」が4-6月期に移ったためと説明した。同じ四半期、プライムビデオのNFL中継は過去最高の滑り出しだった。前日に決算を発表したユーチューブの広告収入も9%増にとどまった。
アマゾン(Amazon)の2026年7-9月期の広告収入は196億3700万ドル(約3兆1300億円)だった。前年同期比11%増で、為替の影響を除くと12%増。4-6月期の26%増から半分以下に鈍った。アマゾンが29日(米国時間)に決算を発表した。
前日の28日にはアルファベット(Alphabet)が決算を発表し、ユーチューブ(YouTube)の広告収入は112億1000万ドル(約1兆7900億円)と9.2%増だった。市場予想を下回り、4-6月期の13%増から伸びが縮んだとバラエティが28日に報じた。米国の動画広告市場の大手2社が同じ四半期にそろって減速した。
アマゾンが挙げた減速の理由は日程だ。大型セール「プライムデー(Prime Day)」は2025年は7月、つまり7-9月期に開かれた。2026年は主要国の大半で6月に前倒しされ、4-6月期に入った。同社は決算資料で、広告の伸びが「プライムデーに関連する時期的な変則」の影響を受けたと記した。広告専門メディアのPPCランドの計算では、4-6月期と7-9月期を合わせた広告収入は394億5000万ドル(約6兆2900億円)で、前年同期比18.1%増だった。
同じ四半期、プライムビデオ(Prime Video)のスポーツ中継は記録を残した。NFLの木曜夜の試合中継「サーズデー・ナイト・フットボール(TNF)」は5シーズン目の開幕6試合の平均視聴者数が1770万人と、過去最高の滑り出しとなった。視聴者は増えたのに、広告収入の伸びは下がった。アマゾンは広告収入を掲載面別に開示していない。ただ、セール1回の時期のずれが四半期の広告の伸びを半分以下に押し下げたことは、同社の広告収入が動画の視聴規模よりも買い物の日程に強く結び付いていることを示している。
売上高2019億ドル…市場予想の2023億ドルに届かず
7-9月期の売上高は2019億ドル(約32兆2100億円)で12%増えた。バラエティ(Variety)によると、LSEGがまとめた市場予想は売上高2023億1000万ドル、1株利益(EPS)1.96ドルで、実際のEPSは1.89ドルだった。株価は時間外取引で4%下落した。アマゾンはプライムデーの移動がなければ7-9月期の増収率は約4ポイント高かったと説明した。
収益性は過去最高を更新した。営業利益は281億ドル(約4兆4800億円)と前年同期の174億ドルから大きく増え、営業利益率13.9%は同社として過去最高だ。純利益は207億ドルで、前年同期の212億ドルを下回った。クラウド事業アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は460億ドル(約7兆3400億円)と39%増え、5年近くで最も速い伸びとなった。アンディ・ジャシー(Andy Jassy)最高経営責任者(CEO)は、売上高1兆ドルの事業はこれまで存在しなかったが、今後5〜10年でアマゾンは2つ持つ可能性があると述べた。
プライム会費や動画・音楽のデジタル購読を含むサブスクリプションサービスの売上高は140億600万ドル(約2兆2300億円)で11%増。広告収入はこれを四半期で約56億ドル上回る。
アマゾン2026年7-9月期の主要指標
| 項目 | 2026年7-9月期 | 比較 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2019億ドル | +12%(前年同期1802億ドル) |
| 北米部門 | 1129億ドル | +6% |
| 国際部門 | 431億ドル | +5%(為替除く+8%) |
| AWS | 460億ドル | +39% |
| 広告サービス | 196億3700万ドル | +11%(為替除く+12%) |
| サブスクリプション | 140億600万ドル | +11% |
| 営業利益(利益率) | 281億ドル(13.9%) | 前年同期174億ドル |
| 純利益 | 207億ドル | 前年同期212億ドル |
| 希薄化後EPS | 1.89ドル | LSEG予想1.96ドル |
出所=アマゾン決算資料、バラエティ(LSEG集計)
広告の伸び、4四半期連続22%→4-6月期26%→7-9月期11%…10-12月期は「10%台後半」見通し
アマゾンの広告収入は2025年4-6月期から2026年1-3月期まで4四半期連続で為替除き22%増を続け、4-6月期には26%増に加速した。7-9月期の広告収入は4-6月期より1億7200万ドル減った。1年前は同じ期間に20億900万ドル増えていたとPPCランドは比較した。市場予想は208億2000万ドルだったと、クオーツ(Quartz)がCNBCを引用して伝えた。
直近12カ月の広告収入は780億ドル(約12兆4400億円)。7-9月期の広告収入は売上高全体の9.7%で、前年同期の9.8%とほぼ同じだ。アマゾンは10-12月期の広告収入が前年同期比「10%台後半」増えると見込む。2025年10-12月期の213億1700万ドルに17〜19%を当てはめると、249億〜254億ドル(約3兆9700億〜4兆500億円)になる。

TNF開幕6試合平均1770万人・NBA開幕2連戦200万人…スポーツ広告枠はシーズン前に完売
プライムビデオの成績は決算資料に別途まとめられた。ニールセン(Nielsen)の集計で、TNF開幕6試合の平均1770万人は昨シーズン全体の平均を16%上回る。2シーズン目に入った「NBA on Prime」は200以上の国・地域で配信され、米国での開幕2連戦は200万人超が視聴した。昨シーズン平均の2倍を超える。オリジナルシリーズ「ジャック・リーチャー(Reacher)」シーズン4は配信後28日間で世界6600万人が視聴した。アマゾンMGMスタジオ(Amazon MGM Studios)の今年の世界興行収入は「プロジェクト・ヘイル・メアリー(Project Hail Mary)」や「ヴェリティ(Verity)」を中心に12億ドル(約1900億円)を超えた。
スポーツの広告枠はシーズン前にほぼ売れていた。ジャシーCEOは7月の4-6月期決算説明会で、TNF、NBA、WNBA、ナスカー(NASCAR)中継の広告が完売したと述べたとPPCランドは伝えている。事前販売で枠が埋まっていれば、視聴者が増えても同じ四半期の広告収入がすぐにその分増える余地は小さい。プライムビデオの広告付き視聴者規模は、2025年10-12月期に示した世界3億1500万人から更新されていない。
広告商品は生成AIに軸足を移している。アマゾンは7-9月期に広告主向けAIプラットフォーム「アマゾン・アッズ・エージェント(Amazon Ads Agent)」を投入した。スポンサー広告、ディスプレー、動画、ストリーミングTV広告を一つのキャンペーンで買える「フルファネル・キャンペーン(Full-Funnel Campaigns)」も米国の全広告主に開放した。ストアの検索広告とプライムビデオのTV広告が同じ予算の中で売買される仕組みだ。
プライムビデオとアマゾンMGMスタジオの7-9月期の主な成果
| 項目 | 7-9月期の数値 | 備考 |
|---|---|---|
| TNFシーズン5 開幕6試合平均 | 1770万人 | 昨季平均比+16%、過去最高の滑り出し(ニールセン) |
| NBA on Prime シーズン2 開幕2連戦 | 200万人超(米国) | 昨季平均の2倍超、200以上の国・地域 |
| 「ジャック・リーチャー」シーズン4 | 6600万人(世界) | 配信後28日間 |
| アマゾンMGMスタジオ 興行収入 | 12億ドル超 | 2026年累計 |
| スポーツ広告枠 | 完売 | TNF・NBA・WNBA・ナスカー(7月発表) |
出所=アマゾン決算資料、PPCランド
ユーチューブ広告は112億ドルで9%増…広告収入の3分の1超がコネクテッドTVから
ユーチューブの広告収入の伸びは2025年7-9月期の15%から、2026年1-3月期11%、4-6月期13%を経て7-9月期は9.2%に下がり、市場予想にも届かなかった。アナト・アシュケナジ(Anat Ashkenazi)最高財務責任者(CFO)は、ブランド広告が最も大きく寄与し、リビングでの視聴が目立って強かったと決算説明会で述べた。グーグルのフィリップ・シンドラー(Philipp Schindler)最高ビジネス責任者は、コネクテッドTV(CTV)での視聴が7-9月期のユーチューブ広告収入の3分の1超を占めたと述べた。米国ではユーチューブ視聴の過半がテレビ画面で行われていると同社は説明している。
広告よりも購読の伸びが速い。シンドラー氏はユーチューブの購読収入の伸びが広告を上回っていると述べたと、バラエティが28日に報じた。ユーチューブ・ミュージックとプレミアムの会員は無料体験を含め1億5000万人で、2025年3月の1億2500万人から増えた。1日にアップロードされる動画は2000万本を超える。ユーチューブは9月にニューヨークで開いた「Made on YouTube」で、利用者が望むテーマでおすすめ動画のチャンネルを作れる「カスタムフィード」など30以上の新製品を発表した。
グーグルは7月の4-6月期決算説明会で、ワールドカップ関連の広告が特にユーチューブで強かったと説明していた。7-9月期の伸びの低下にはこの比較基準の高さも含まれる。アルファベット全体の売上高は1276億ドルと25%増えたが、LSEG集計の市場予想(売上高1282億ドル、EPS3.02ドル)を下回った。EPSは株式投資の評価損87億ドルを計上して2.12ドルだった。株価は時間外で8.7%下落したとザ・ラップは報じた。
2社の減速は原因が異なる。アマゾンは自社セールの時期がずれたことで、ユーチューブは4-6月期のワールドカップ広告が比較から抜けたことで伸びが下がった。共通するのは、イベントの日程が広告収入を動かした点だ。収入構造は逆向きだ。アマゾンは広告収入が購読収入を四半期で56億ドル上回り、ユーチューブは購読が広告より速く伸びている。7-9月期のアマゾンの広告収入はユーチューブの1.75倍。設備投資はともに膨らんでいる。アルファベットの7-9月期の設備投資は513億6000万ドルと114%増え、2026年通年見通しは1950億〜2050億ドル。アマゾンの見通しは約2200億ドルだ。

メタの広告は26%増の631億ドル…ネットフリックスは年間広告目標を27億ドルに下方修正
同じ四半期のメタ(Meta)の広告収入は630億6000万ドル(約10兆600億円)で26%増えた。広告表示回数が10%、広告単価が14%上昇したと四半期報告書に記している。スーザン・リー(Susan Li)CFOは単価上昇の理由に広告効果の改善とマクロ経済環境を挙げたとエクスチェンジ4メディアが伝えた。グーグル検索の広告収入は633億5000万ドルで12%増だった。
ネットフリックス(Netflix)は20日、7-9月期の売上高128億7000万ドルを発表し、2026年の広告収入目標を約30億ドルから27億ドル(約4300億円)に引き下げた。グレッグ・ピーターズ(Greg Peters)共同CEOは、一部の広告機能の投入が計画より遅れ、年間の積極的な目標に「やや届いていない」と述べたと、ザ・ネクスト・ウェブがザ・ラップを引用して報じた。同社は2027年に広告付きプランを15カ国に追加する。
7-9月期に伸び率が高かったのは、フィード型の成果報酬型広告を売るメタだった。動画広告の比重が大きいユーチューブとネットフリックスは伸びが鈍るか目標を下げ、コマース広告が中心のアマゾンは自社セールの日程に合わせて伸び率が大きく振れた。

2026年7-9月期 主要広告事業者の比較
| 企業 | 7-9月期広告収入 | 伸び率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| メタ | 630億6000万ドル | +26% | 表示回数+10%、広告単価+14% |
| グーグル検索 | 633億5000万ドル | +12% | 小売・金融が伸びを主導 |
| アマゾン | 196億3700万ドル | +11% | プライムデーが4-6月期へ、10-12月期は10%台後半見通し |
| ユーチューブ | 112億1000万ドル | +9.2% | CTVが広告の3分の1超、購読が広告より速く成長 |
| ネットフリックス | 非開示 | - | 2026年広告目標を約30億→27億ドルに |
出所=アマゾン、アルファベット、メタ、ネットフリックス決算資料、デッドライン、ザ・ネクスト・ウェブ
韓国の放送広告は年2兆134億ウォン…アマゾン1四半期の広告収入はその13倍
韓国の放送メディア通信委員会(Korea Communications and Media Commission)が6月19日に公表した「2025会計年度放送事業者財産状況」によると、韓国の放送広告売上は2兆134億ウォン(約2400億円)で前年比12.3%減った。地上波の広告売上は6936億ウォン(約830億円)で17.0%減。地上波は1174億ウォンの営業赤字で3年連続の赤字だったと聯合ニュースとデジタルデイリーが報じた。
アマゾンが7-9月期の1四半期で稼いだ広告収入約26兆2500億ウォンは、韓国の放送広告1年分の13倍にあたる。韓国放送広告振興公社(KOBACO)推計の2025年韓国総広告費約17兆2700億ウォン(約2兆600億円)の1.5倍でもある。総広告費のうちオンライン広告が約60%を占め、放送広告は約13%減ったとKtNが伝えた。

規模の差以上に注目すべきは、収入が生まれる場所だ。英広告調査機関WARCは、2026年の世界のリテールメディア広告費が1967億ドルと、従来型テレビとコネクテッドテレビの広告費の合計を上回ると予測しているとマッドタイムズが伝えた。アマゾンの7-9月期決算は、この市場の収入が視聴率ではなく購買の日程とともに動くことを示した。NFLの視聴者が過去最高だった四半期に広告の伸びが下がったのも、同じ理由による。
韓国の放送局にとって検討すべき点は、広告枠を売る窓口だ。アマゾンの広告購入プラットフォーム(DSP)は、ネットフリックス、ディズニープラス、HBOマックス、パラマウントプラス、ピーコックなど米主要ストリーミングサービスの広告枠まで購入できると、ハリウッド・リポーターが2025年10月に報じた。購買データを持つプラットフォームが他社の動画広告まで販売する構造だ。韓国で購買データと動画サービスを併せ持つ代表的な事業者はクーパン(쿠팡、クーパンプレイ)とネイバー(네이버、ネイバープラス・チジック)だ。地上波や有料放送チャンネルが自社販売だけで広告収入の減少を止めるのは難しく、こうしたコマースプラットフォームの広告購入の仕組みに自社の枠をつなぐ交渉が実務上の課題として残る。
スポーツ放映権への投資にも同じ問いが向けられる。アマゾンはNFLやNBAの中継費用を広告だけで回収していない。プライム会員の獲得や買い物を通じて戻ってくる分が別にある。韓国の放送局が大型スポーツの放映権を広告販売だけで賄う構造なら、視聴者が増えても広告収入が期待ほどついてこなかったアマゾンの7-9月期の例を、契約段階で織り込む必要がある。
10-12月期の売上高は2400億〜2470億ドル見通し…今年の設備投資は約2200億ドル
アマゾンは10-12月期の売上高を2400億〜2470億ドル(約38兆2900億〜39兆4100億円)、営業利益を285億〜335億ドルと見込む。広告は「10%台後半」の伸びを予想した。10-12月期は年末商戦とTNF、NBA中継が重なる。広告の伸びが会社見通しどおりに戻れば、7-9月期の減速は日程によるものだったという説明が数字で裏付けられる。
費用は膨らんでいる。アマゾンは2026年の現金ベースの設備投資を約2200億ドル(約35兆1000億円)と見込む。直近12カ月のフリーキャッシュフローは424億ドルの流出で、1年前の148億ドルの流入から転じた。ジャシーCEOはAWSの増収率が2027年、2028年ともに40%を超えると見込むと決算資料に記した。7-9月期にはAI音声アシスタント「Alexa+」を日本、オーストラリア、インドにも広げた。
ユーチューブはリビングでの視聴比率を、ネットフリックスは2027年の15カ国での広告付きプラン拡大を次の焦点に掲げる。韓国では放送事業売上が3年連続で減り、同じ期間にオンライン広告は総広告費の60%程度まで上がった。視聴者が増えても広告収入が同じ速さでついてこない流れは、今回の米大手の決算でも確認された。韓国の放送局の広告販売が視聴率中心から購買データと結び付いた販売に移れるかどうかが、来年の広告市場の焦点になる。
注記
為替:1ドル=1336.8ウォン(2026年10月29日ソウル外国為替市場午後3時30分終値)、1ドル=約159.5円(同日の100円=837.92ウォンからのクロスレート)。換算値は四捨五入した。
「」内は報道・公表された発言や文言、かぎ括弧のない引用は報道内容の要約。他媒体を経由した発言は当該媒体名を記した。
アマゾンの広告の伸び率は特記のない限り発表値(11%)。グラフの四半期推移は為替影響除き。10-12月期の広告収入レンジはPPCランドの計算。
参考資料
Amazon IR、Variety(2026.10.29/10.28)、PPC Land、TheWrap、Meta 10-Q、The Next Web、聯合ニュース、マッドタイムズ(WARC)ほか。全リンクは韓国語版を参照。